2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J05804
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
張 庚瑜 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 結び目 / 結び目同境 / crosscap数 / 種数 / 同境crosscap数 / 4次元種数 |
Research Abstract |
3次元球面S^3の結び目に,S^3またはS^3を境界とした4次元球体D^4の中で,連結でコンパクトな曲面を張ることができる.結び目の種数とは,S^3における向き付けられる曲面の最小種数である.また,D^4における向き付けられる曲面の最小種数を4次元種数という.この定義で,向き付けられない曲面とその1次元Betti数を考えることにより,crosscap数および4次元crosscap数が定義される. S^1×IからS^3×Iへの埋め込みが存在し、その埋め込みがK_0をS^3×{0}の中に、-K_1をS^3×{1}の中にそれぞれ移すとき,二つの結び目K_0とK_1は結び目同境であるという.結び目同境は同値関係である.ある結び目の結び目同境類における最小の種数のことを同境種数といい,これまでに種数や4次元種数との関係が研究されてきている. 私は同境種数と同様の概念として同境crosscap数を導入しその性質を研究した.任意の結び目に対し明らかに「4次元crosscap数≦同境crosscap数≦crosscap数」という不等式が成り立つ.私は本研究において,4次元crosscap数が同境crosscap数より真に小さい例を,無限個の結び目を構成することによって証明した. この結果は'Concordance crosscap number of a knot'という題の論文にまとめていて、the Bulletin of the London Mathematical Societyから出版される予定である(ArXiv : math.GT/0608421でも公表している).
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