2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J05808
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中島 陽一 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 地球中心核 / Fe_7C_3 |
Research Abstract |
地球中心核は主に鉄から構成されており、地震学的観測及び高圧実験から10%の軽元素を含んでいると考えられている。核軽元素を明らかにすることは地球形成過程、地球全組成、及び現在の地球ダイナミクスを理解する上で重要である。現在までに様々な元素(H, S, O, Si, C)が核軽元素として提案されてきた。しかし、宇宙存在度、鉄との親和性が高いにもかかわらず、これまで炭素についての研究は特に不足している。そこで私は、炭素の可能性を明らかにすることを目的とする。 高圧下における鉄-炭素系の相平衡関係は、本目的を達するに於いて基礎的な情報である。そこで先ず、Fe_3C(6.7wt.%C)組成における、高温高圧下での融解関係を圧力28GPa、温度2000℃まで明らかにした。放射光施設SPring-8に設置されている川井式マルチアンビル装置を用い、X線回折その場観察実験を行った。得られたX線回折パターンより、20-28GPaではFe_7C_3相(8.4wt.%C)がリキダス相として安定であることが明らかになった。過去の熱力学計算(Wood, 1993)では、高圧(>15GPa)ではFe_3C相がリキダス相であると予想され、液体外核に炭素が存在するならば、固体内核はFe_3C相である可能性が示唆された。しかし、今回の実験結果に基づくと、Fe_7C_3相が内核構成物質である可能性が強く示唆される。 さらに、Fe_7C_3相が内核構成物質である可能性を検証するため、ダイヤモンドアンビル装置を用い、Fe_7C_3相の圧縮実験を70GPaまで行った。その結果、体積弾性率K=212(6)GPa、その圧力微分K'=4.4(3)が得られた。得られた弾性定数を用い、地球中心核圧力条件でのFe_7C_3密度を見積もると、固体内核密度と一致する。このことは、Fe_7C_3相が、密度の観点から、地球核構成質である可能性を強く示唆する
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