2007 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ナノ相分離構造を鋳型とする構造転写プロセスの開発と新規ナノ材料の創製
Project/Area Number |
06J05839
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 亮子 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ブロック共重合体 / ミクロ相分離構造 / ナノテンプレート / ナノリソグラフィー / ウェットエッチング / ポリエチレンオキサイド / ナノシリンダー |
Research Abstract |
ブロック共重合体薄膜はミクロ相分離によって、電子線リソグラフィーなどのナノリソグラフィーでは描写が困難なシングルナノメートルから数十ナノメートルの周期構造を自己組織的に形成する。この相分離構造をナノテンプレートとして応用する場合、分子量やブレンドによってその周期を変化させることが可能で、量産性に優れているという利点がある。親水性かつイオン伝導性を示すポリエチレンオキサイド(PEO)と側鎖にアゾベンゼンを含む疎水性のポリメタクリレート(PMA(Az))からなる両親媒性ブロック共重合体PEO_m-b-PMA(Az)_nの薄膜は、熱処理を施すと膜内を貫通したヘキサゴナル配列のPEOシリンダーを形成する。本研究では、PEO_m-b-PMA(Az)_n薄膜の有するPEOシリンダーを基板に対して垂直方向に物質拡散できる理想的なナノチャンネルと捉え、ウェットエッチングのマスクとして用いた。すべての行程をウェットプロセスとし、より簡便でより小さな周期構造を多様な基板へ転写することを目的としている。熱酸化層(膜厚20nm)をもつシリコンウエハ上に重合度の異なるPEO_m-b-PMA(Az)_nとオリゴエチレンオキサイドの複合膜を製膜し、フッ化アンモニウム水溶液でエッチング処理を行うことによって、シリコンウエハ表面に平均直径d=7-19nm,周期D=16-40nmのヘキサゴナルに配列したナノホールを作製した。本プロセスは他のナノリソグラフィーあるいはブロック共重合体を用いた転写プロセスと比較しても非常に簡便でこのような微細な構造を数時間で作製できる点で優れている。また、原子平坦性の金基板に同様のプロセスを適用し、ナノメートルオーダーのホール構造を作製した。現状ではマスクのパターンとの相関性が低いが、基板の種類によるマスクの製膜条件の変化やPEOシリンダーとエッチング試薬の相互作用がホール形成の重要なパラメータとなることが明らかになった。以上の成果は電気化学会第75回大会、American Physical Society,2008 March Meeting、その他国際学会などで発表した。
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Research Products
(9 results)