2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J05910
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金蔵 孝介 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ALS / alsin / ALS2 / Akt / VAPB |
Research Abstract |
我々は新規ALS原因遺伝子alsinの機能解析を行い、世界に先駆けてalsinのRhoGEFドメインが神経保護作用を持ち、Rac1/PI3K/Akt3系路を介して常染色体優性遺伝性ALS原因遺伝子SOD1変異体の誘導する細胞死を抑制することを報告した(Kanekura et al.,JBC 2004,Kanekura et al.,JBC 2005)。本年度、我々はalsinの神経保護メカニズムの詳細な解析を行った。また、その機能を2004年に同定された新規ALS原因遺伝子VAPBと比較し、ALS共通の発症機構の解明を目指した。 1)alsin transgenic mouseの作製 常染色体劣性遺伝性ALSの原因遺伝子であるalsinはその機能損失によりALSを発症することが予測されたことから、我々はalsin RhoGEFドメインに点突然変異を挿入した優性抑制性alsin変異体を高発現したトランスジェニックマウスを作製したが、現在まで著明な表現系を認めていない。 2)alsin/Rac1/PI3K/Akt系路に寄与する因子の同定 酵母ツーハイブリッド法によりalsinの神経保護作用に必須な因子であるAkt3の結合因子を探索し、分子量60kDaの新規の蛋白を同定した。この因子はalsin、Akt3の双方と結合し、さらにRNA干渉法および高発現を用いた系によりAkt3のリン酸化に必須の因子であることが示された(投稿準備中)。今後、alsinとAkt3とのシグナルをどのように調節しているのかをさらに詳細に解析予定である。 3)新規ALS原因遺伝子間の機能比較 alsinはそのC末端に細胞内小胞輸送に関与するVPS9ドメインを持ち、小胞輸送にも関与することが示唆されている。2004年に同定された新規ALS原因遺伝子VAPBも小胞輸送に関与すると予想されたことから、我々はalsinとVAPBの機能の比較を行った。その結果、VAPBとalsinの機能に共通性は見出さなかったが、VAPBが小胞輸送ではなく、小胞体ストレスに関与するとの新規の所見を見出したため報告した(Kanekura et al.,JBC 2006)
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Research Products
(1 results)