2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J05910
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金蔵 孝介 Keio University, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ALS / alsin / ALS2 / Akt / PP2A / BTBD10 |
Research Abstract |
我々は新規ALS原因遺伝子alsinの機能解析を行い、alsinがRac1/Pl3K/Akt3系路を介して常染色体優性遺伝性ALS原因遺伝子SOD1変異体の誘導する細胞死を抑制することを既に報告した(Kanekura, et. al., JBC 2004, Kanekura, et. al., JBC 2005)。本年度、我々はalsinの神経保護メカニズムの詳細な解析のためにalsinの下流であるAkt3との結合因子を探索し、その運動神経保護作用を解明した。 1)alsin/Rac1/Pl3K/Akt系路に寄与する因子の同定 酵母ツーハイブリッド法によりalsinの神経保護作用に必須な因子であるAkt3の結合因子を探索し、分子量60kDaの新規の蛋白BTBD10を同定した。BTBD10はAktを脱リン酸化する酵素PP2Aとも結合したこと、内在性BTBD10の発現を抑制すると内在性Aktおよび外因性Akt3のリン酸化レベルが低下すること、BTBD10を高発現することにより内在性Aktおよび外因性Akt3のリン酸化が亢進することから、BTBD10はPP2Aと結合し、その活性を抑制することによりAktのリン酸化を促進するとの仮説を立て、実際にin vitroにおいて証明した。またBTBD10を高発現させることにより、SOD1変異体が運動神経細胞株に対して発揮する神経毒性を抑制することを報告した(Nawa, et. al., 2008)。 2)alsinの結合因子の探索 我々はalsinの神経保護機構の理解をより深めるために、Glutathione-S-transferase(GST)と融合させたalsin long form遺伝子を高発現させ、共沈してくる蛋白をMALDI/TOF法により同定し、HSP90βを得た。しかし、alsin変異体(Tunisia, Kuwaiti, Saudi)のGST融合蛋白でも結合が確認され、alsin long formの免疫沈降では共沈が確認できなかったことから、HSP90βはGSTとalsin蛋白とを融合させたことによりアーチファクトとして結合してきたと考えられた。
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Research Products
(3 results)