2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナイト流不確実性と再帰的期待效用理論の融合と株価プレミアムパズルの解決
Project/Area Number |
06J05938
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
浅野 貴央 Keio University, 経済学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 不確実性 / 非期待効用理論 / 投資選択問題 |
Research Abstract |
平成19年度は研究実施計画に基づき、研究課題に関する論文を5本執筆・国際ジャーナルに投稿し、1本がTheory and Decisionに採択され、掲載予定となった。残る4本は現在、審査が継続中である。 Theory and Decisionに採択された論文は、ナイト流不確実性下の動的な枠組みにおける投資家の投資選択問題を考察し、投資家の信念(belief)が確率分布の集合で表現される場合、信念の更新(updating)が投資家の行動にどのような影響を与えるかを分析した。投資家が株価に対してプラスあるいはマイナスであるかにかかわらず新たな情報を入手すると、情報を全く入手していない状況、つまり、情報を完全に遮断された状況に比べて、投資家が自らの投資ポジションを変更しない価格帯が拡大する、という直観とは逆の結果を導出した。この結果は、情報の内容にかかわらず、正の確率で起こる事象を観察した結果、情報の入手が投資決定にプラスに働くのではなく逆に投資家の不安心理を増大させ、自らの投資ポジションを変更しない価格帯が拡大してしまう、ということを含意している。
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Research Products
(1 results)