2006 Fiscal Year Annual Research Report
気-液界面を利用した階層的分子複合系の構築とその光機能化
Project/Area Number |
06J06015
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 崇史 慶應義塾大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アゾベンゼン / フォトクロミズム / LB膜 / 気-液界面 / DNA |
Research Abstract |
1.DNAをテンプレートとしたプルシアンブルーナノワイヤーの作製とその磁気特性の光制御 アゾベンゼンの光異性化を利用した、高効率な磁化の光制御を達成するために、磁性体であるプルシアンブルーの形態に着目し、その1次元構造体をLB膜をテンプレートに作製することを試みた。具体的には、DNAと両親媒性アゾベンゼン化合物からなるコンポジットLB膜を作製し、ポリアニオンであるDNAとの逐次的なイオン交換反応を利用してプルシアンブルーの複合化を行った。プルシアンブルーを複合させたコンポジットLB膜は再現性よく作製できたものの、AFMによる構造観察の結果、目的のプルシアンブルーナノワイヤーは得られず、ドット状の構造体が形成されていることが明らかとなった。また、磁化の光変化率は1%程度と小さな値であったが、保磁力が40Gという結果が得られ、これはバルクのプルシアンブルーの保磁力15Gを大きく上回る結果が得られた。 2.気-液界面を利用した階層的多重機能性材料の創製とその機能の光制御 光化学反応を利用した多重機能性材料の創製において、分子複合系における光誘起分子認識を目的とした。具体的には、DNAにインターカレートし、かつ光応答性を有する分子とDNAとの超分子系を溶液中、ならびに気-液界面において作製し、その光応答性を分光学的に検討した。その結果、溶液中で作製した超分子系では光応答を全く示さなかったのに対して、気-液界面において作製した超分子系では光応答性を示した。また光誘起分子認識に関しては、アゾベンゼン部位の光異性化における分子モーションによってDNAへのインターカレーションが促進されていることが、蛍光スペクトル、およびCDスペクトルから明らかとなった。
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