2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J06029
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田久保 圭誉 Keio University, 医学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 造血 / 骨髄 / 幹細胞 / 細胞周期 |
Research Abstract |
我々の研究グループはこれまでにATMノックアウトマウスの造血幹細胞において、酸化ストレスの上昇で、p38MAPKおよびp16^<Ink4a>が活性化し、最終的に幹細胞活性が失なわれて枯渇することを明らかにしてきた。その一方、同じATMノックアウトマウスの生体内でも精巣の幹細胞システムなどは酸化ストレス以外のシグナル経路が幹細胞以上に関わっていることも示唆されている。すなわち造血幹細胞は特に活性酸素種に対して脆弱であるといえる。そこで、今回われわれは造血幹細胞システムの未分化細胞維持において、酸化ストレスの低い環境、すなわち恒常的な低酸素環境が必要ではないかと仮説を立てて検討を進めた。その結果、最も細胞周期の遅い骨髄造血幹細胞は低酸素マーカー陽性であるということが明らかになった。次に、こうした低酸素環境にある静止期造血幹細胞がいかなる分子基盤を用いて幹細胞活性の維持を図っているか検討を行った。その結果、HIF-1alphaがこうした幹細胞分画に発現していることを見出した。こうした異常を分子遺伝学的に解析するためにHIF-1alphaの造血細胞特異的ノックアウトマウスを用いて造血幹細胞の細胞周期を定量的に解析したところ、造血幹細胞分画特異的に細胞周期の亢進を認めた。また、いくつかのCDKIや、GO期特異的分子の遺伝子発現が変動しており、HIF-1alphaは細胞周期を調節することで静止期造血幹細胞を維持している可能性が示唆された。
|
Research Products
(11 results)