2008 Fiscal Year Annual Research Report
並列分散リアルタイム処理用オペレーティングシステムの設計と実装
Project/Area Number |
06J06031
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 真平 Keio University, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | リアルタイムシステム / スケジューリング / マルチコア / オペレーティングシステム |
Research Abstract |
マルチコアプラットフォームを対象としたリアルタイムスケジューリングに関する研究を行った。具体的には、十分なリアルタイム性能を提供できる一方で可能な限り単純化されたスケジューリングアルゴリズムの提案し、シミュレーションによる有効性の評価を行った。多くの従来手法が性能と引き換えにタスクのコア間マイグレーションやコンテキストスイッチを多発させてしまうのに対して、本研究における提案手法はそれらのオーバヘッドを劇的に削減し、なおかつ従来手法と同等の性能を実現可能である。また、スケジューリングアルゴリズムだけでなく、高品質なリアルタイムシステムのための付加的な技術である排他制御やリアルタイム通信、電圧周波数制御についても考案し、有効性を示した。最終的に、これらの技術を実装した実用的なリアルタイムオペレーティングシステムを開発し、一般向けに公開した。 マルチコアは次世代のコンピュータシステムのプラットフォームとして期待されている。本研究の意義は、そのマルチコアプラットフォームを有効的に活用可能なリアルタイムスケジューリング技術を確立することにある。我々の知る範囲で、マルチコアに対して実用的に有効であるリアルタイムスケジューリング技術は確立されておらず、標準的なリアルタイムオペレーティングシステムも存在しない。この点で、本研究の重要性は高いと考える。
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Research Products
(14 results)