2008 Fiscal Year Annual Research Report
超高速光ファイバ非線形光学を用いた広帯域周波数モード間量子相関操作の研究
Project/Area Number |
06J06058
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
廣澤 賢一 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スクイズド光 / 光ファイバ / EDFA / 量子光学 |
Research Abstract |
GAWBSによる雑音の低減については短尺(数m)ファイバによる非線形偏光干渉計(NOPI)を用いた真空スクイズド光発生実験を行った。その結果-2dB前後のスクイジングを達成した。効率的なGAWBSによる雑音の低減のため,ファイバ長やファイバの種類への依存性を調査した。 次に,光ファイバの代わりにPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)のカスケード効果による三次の非線形性を用いた実験を行った。PPLNは二次の非線形結晶であるが,位相整合が不完全な波長では強い三次の非線形性が得られる。PPLNではGAWBSは発生しないため,バルクのPPLNで最大-0.7dBのスクイジング,導波路PPLNで最大-1.7dBのスクイジングを得た。カスケード効果とSagnac干渉計を用いて真空のスクイズド光を発生させたのは我々の知る限り初めての成果である。 ファイバレーザの純粋化については,まず比較的容易な光子数測定のみを用いて,ポストセレクションによる純粋化を行った。純粋化は理論どおりに成功したため,光子数雑音の低減したパルスを光ファイバに入射することで光子数スクイジング発生実験を行った。しかし,位相雑音は低減できていないためこれが悪影響を及ぼし,光子数スクイジングは得られなかった。これは今後,位相測定の技術を確立することで解決できると考えている。 結論として,ファイバ光学系による量子もつれあい状態生成に障害となるGAWBSの低減法について調査した。また,代替手段として導波路構造を持ち,ファイバ系との親和性を持つ導波路PPLNを使うことでGAWBSの影響を受けることなくスクイジングが得られることを示した。一方,ファイバレーザの純粋化では課題を残したが,純粋化自体には成功しており原理の実証は果たしたと言える。
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Research Products
(6 results)