2008 Fiscal Year Annual Research Report
集束イオンビームによる3次元ナノ構造体の機能物性探索とデバイス応用研究
Project/Area Number |
06J06163
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
中松 健一郎 University of Hyogo, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノ / 集束イオンビーム / 励起化学表面反応 / 電子線ホログラフィー / バイプリズムフィラメント / ナノワイヤー / ダイアモンド様炭素 / 干渉稿 |
Research Abstract |
集束イオンビーム励起化学表面反応(FIB-CVD)の空中配線技術を用いて作製された、材質ダイアモンドライクカーボン(DLC)の表面の滑らかなナノワイヤーをフィラメントとして応用し、電子線ホログラフィーのための電子線バイプリズムを作製することに初めて成功した。イオンビームの種類はGa,加速電圧は30kV,ビーム電流は1pAであり、使用した反応性ガスはフェナントレンである。DLCフィラメントの線幅は80nmと非常に微細であり、長さは15μmと電子線ホログラフィーを行う上で十分な長さである。加速電圧200kVの透過型電子顕微鏡を用いた特性評価の結果、真直ぐで綺麗な、とても縞質の良い干渉縞を得ることができた。さらに、石英棒を熱し引き伸ばして作製される直径400nmの従来の電子線バイプリズムとの干渉性の比較実験を行ったところ、その空間分解能を劣化させることなく、同じ干渉領域において縞コントラストを大きく上昇させることに成功した。例えば、干渉領域220nmにおいて、得られた縞コントラストが直径400nmのフィラメントでは0.1であったのに対し、今回開発した直径80nmのフィラメントでは0.45であり、0.35ポイントも上昇させることができた。これは、線幅の微細なバイプリズムフィラメントを用いることで高精度な電子線ホログラフィーが可能であることを意味している。これらの結果から、FIB-CVDを用いて作製された微細フィラメントを有する電子線バイプリズムが、従来の電子線バイプリズムに取って代わるものとなるのは間違いない。
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Research Products
(8 results)