2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J06182
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三好 啓太 Keio University, 医学部, 助教
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Keywords | RNAi / miRNA機構 / Argonaute / Dicer / GW182 / RNAサイレンシング |
Research Abstract |
In vitroにおけるRNAi再構成を目指し、この経路およびこれに酷似するmiRNA経路において必要な因子の同定、および分子機能解析を進めた。ショウジョウバエmiRNA経路においてDicer1、AGO1、GW182が必須因子であることは明らかになっているものの、分子間の作用・機序ついての知見は乏しい。そこでmiRNA機構の中心作動複合体「miRISC」およびmiRISC前駆体「miRLC」の同定及び機能解析を進めた。これまでにAGO1相互作用因子として、GW182およびLoqsを同定している。抗GW182および抗Loqsモノクローナル抗体を作製し、これらの抗体を用いた生化学的実験から、細胞内において少なくとも二種類のAGO1複合体が存在することを明らかにした。つまり、Dcr1/Loqs/AGO1複合体(IP-Loqs)とAGO1/GW182複合体(IP-GW)である。またGW182はmiRNAの成熟には関与しないことを示した。本年度では、これら複合体の機能解析を行った。AGO1免疫沈降物(IP-AGO1)及びIP-GWは、内在の成熟したmiRNAを含んでいたが、IP-Loqsには成熟型miRNAが含まれておらず、その前駆体のpre-miRNAや二本鎖のmiRNAが含まれていた。このことは、IP-Loqsに成熟miRNAを含むAGO1が含まれていないことを示す。また、Dcr1/Loqs/AGO1複合体(IP-Loqs)の機能的性質の解析により、「IP-Loqsは、miRNAを成熟化させ、miRNAをAGO1に導入する」機能を持つことが明らかになった。さらに、Dcr1/Loqs/AGO1複合体からのAGO1の解離は成熟miRNAのAGO1への導入により誘導されることを明らかにした。これらのことから、Dcr1/Loqs/AGO1複合体はpre-miRNAの成熟化に必須な複合体「miRLC」であり、AGO1/GW182複合体は標的RNAの切断や翻訳抑制に必須な複合体「miRISC」であると考えた。このようにmiRLC及びmiRISCの精製に成功した。
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Research Products
(5 results)