2006 Fiscal Year Annual Research Report
IANファミリー分子によるアポトーシス制御の分子機構
Project/Area Number |
06J06186
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
新田 剛 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | アポトーシス / Tリンパ球分化 / 胸腺 / 正負の選択 / IANファミリー / GTP結合タンパク質 / ノックアウトマウス / Bcl-2ファミリー |
Research Abstract |
IANファミリー分子群によるTリンパ球のアポトーシス制御機構について研究を行った。 (1)ノックアウト(KO)マウス作製による個体レベルの機能解析 (i)IAN4-KOマウスの作製を行い、複数系統のヘテロfloxマウスが得られた。今後、Cre発現マウスとの交配により、IAN4遺伝子を全身性に欠損したKOマウスを作製する。 (ii)T細胞のアポトーシス抑制に関わることが示唆されているIAN5について、KOマウス作製を開始した。既に変異ES細胞を樹立し、キメラマウスの作製を進めている。 (iii)全てのIAN遺伝子を欠失したIAN large-deletion (LD) KOマウスの作製を目的として、ターゲティングベクターを構築中である。 (2)in vivo過剰発現によるIAN4の機能解析 レトロウイルスベクターを用いて骨髄細胞に遺伝子導入し、放射線照射したマウスに移植することでIAN4過剰発現骨髄キメラマウスを作製し、その表現型を解析した。IAN4の過剰発現により、末梢のT細胞が増加しB細胞が減少することがわかった。IAN4はリンパ球の分化方向または生存制御に重要な役割をもつことが示唆された。 (3)IAN1の機能解析 shRNAによるノックダウンおよび遺伝子導入骨髄キメラマウスの作製と解析を行い、IAN1がT細胞のアポトーシス誘導に重要な役割を果たすことを明らかにした。IAN1はアポトーシス誘導因子Baxと相互作用するが、Bax欠損胸腺細胞においてもIAN1による細胞死誘導がみられたことから、IAN1はBaxとは別の経路でアポトーシス誘導シグナルを制御していると考えられた。現在、IAN1が胸腺における負の選択に関与する可能性と、IAN1と細胞内で会合するタンパク質の同定について、検討を行っている。
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Research Products
(3 results)