2007 Fiscal Year Annual Research Report
IANファミリー分子によるアポトーシス制御の分子機構
Project/Area Number |
06J06186
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
新田 剛 The University of Tokushima, ゲノム機能研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | T細胞 / IANファミリー / GTP結合タンパク質 / ノックアウトマウス / CD4 / CD8 |
Research Abstract |
リンパ球特異的に発現される機能未知GTP結合タンパク質群IANファミリーの生理的役割について、とくにT細胞の正の選択に伴って発現誘導されるIAN4とIAN5に着目して研究を行った。 IAN4遺伝子またはIAN5遺伝子を全身性に欠損するノックアウト(KO)マウスを作製し、表現型の解析を行った。IAN4-KOマウス、IAN5-KOマウスともに正常に個体発生し、生存、繁殖に問題はみとめられなかった。免疫組織中のリンパ球を調べたところ、IAN4-KOマウスでは、末梢リンパ組織におけるB細胞やCD8 T細胞、メモリー型CD4 T細胞の数は正常であるにもかかわらず、ナイーブCD4 T細胞数が有意に減少していた。一方、IAN5-KOマウスでは、末梢のB細胞やCD4 T細胞の数は正常であったが、CD8 T細胞の数が野生型マウスに比べて有意に少なく、とくにナイーブCD8 T細胞の著しい減少がみとめられた。また、IAN4-KO、IAN5-KOともに、胸腺T細胞分化には異常はみとめられなかった。以上の結果より、IAN4とIAN5はそれぞれナイーブCD4 T細胞またはナイーブCD8 T細胞の末梢リンパ組織における維持に必須であることが示された。IANファミリー分子はリンパ球の系列特異的な生存制御因子であることが示唆される。 さらに、IAN4遺伝子とIAN5遺伝子のゲノム上の位置が近い(約12kb)ことに着目し、IAN4-flox/Cre発現マウスとIAN5-floxマウスとの交配によって、両遺伝子を欠損するIAN4/5-DKOマウスを作製した。現在、これらのマウスの表現型解析を進めている。
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Research Products
(3 results)