2006 Fiscal Year Annual Research Report
フーリエ解析を使った関数微分方程式の解の構成と数値計算および偏微分方程式への応用
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06J06250
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米田 剛 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 関数微分方程式 / フーリエ変換 / almost periodic 関数 / 数値計算 / Navier-Stokes方程式 / Helmholtz分解 / amalgam空間 |
Research Abstract |
$f'(x)=4f(2x)$の解が無限個存在することも分かり、その構造から数値計算も容易であることが分かった。 $f'(x)=1ambda'2f(lambda x),1ambda>1$の様に一般化した場合の方程式のexplicitな解も同様に構成出来ることが分かった。 $'f(x)=4f(2x)$の解を構成するのにフーリエ変換を本質的に用いているのであるが、フーリエ変換の考察を深化させるため、フーリエ級数の一般化であるalmost periodic関数の研究も始めている。最近「almost periodic関数が無限遠で最大値(或る定数でも良い)をとらない」という証明が出来た。今の所、これは放物型方程式の解の爆発問題に応用されている。 「自己評価する上で、特に重要と思われる事項」に書いてある通り、独自の発想力に沿った研究のみならず、歴史的に深い偏微方程式の研究にも尽力している。 偏微分の研究に関しては、amalgam空間空間上のNavier-Stokes方程式の研究を深化させた。 全空間でのamalgam空間上のNavier-Stokes方程式の時間局所解の一意存在を示すには、amalgam空間上のHolder型不等式、Youngの不等式、リース変換の有界性が必要となるのであるが、本研究ではYoungの不等式を示し、上述の問題を解決するに至った。 尚、実解析的問題として、amalgam空間上の特異積分の有界性も示した。証明の方針としては、先ずは局所的な領域にL^p有界性を使い、その次に数列における特異積分作用素の有界性を使うというものである。この有界性の証明により、amalgam空間上のリース変換の有界性が保証されることとなり、Navier-Stokes方程式の局所一意解の存在が導けることとなった。 その次に或る角領域上のHelmholtz分解を構成する研究を行った。 証明の方針としては、先ず角領域上のノイマン問題における熱核を構成し、その熱角を使ってHelmholtz射影を構成するというものである。角領域上のノイマン問題における熱角の構成に関しては、折り返し法を使用した。 尚、この方法を使うとL^p空間に限らず、amalgam空間でもHelmholtz分解が出来ることが分かった。 最後にamalgam空間自体の性質を調べる研究を行った。具体的にはamalgam空間とBesov空間がフーリエ変換によって或る包含関係を有することを示した。その包含関係において、amalgam空間の指数とBesov空間の指数との間にある関係性が見出せるが、それがsharpになることも示した。
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Research Products
(5 results)