2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゼンマイ類における適応的分化の遺伝的背景のQTLマッピングによる解明
Project/Area Number |
06J06295
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
角川 洋子 (谷田辺 洋子) 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | QTLマッピング / 渓流沿い植物 / 分断性淘汰 / 適応的分化 / シダ植物 |
Research Abstract |
ゼンマイ(Osmupda japonica)とヤシャゼンマイ(Osmunda lancea)は、渓流沿いの増水時には冠水する岩上にはヤシャゼンマイが生育し、それより上の川岸にはゼンマイが生育するというように、生育環境が異なりそれぞれの環境に適応的分化している。研究の目的は、QTLマッピングによりゼンマイとその渓流型であるヤシャゼンマイの種間における適応的分化の遺伝的背景を明らかにすることであり、そのために、両種の間に形成されるオオバヤシャゼンマイと呼ばれる自然雑種を材料として使うことを計画した. 平成18年度は,このオオバヤシャゼンマイの胞子を2地点3個体から採取した。それらの採取した胞子を培地上に蒔き、前葉体を育て、自配受精を行うことによって、60個体ほどの自配受精個体を作成した.前葉体は順次成熟するので、今後260個体ほど作成する予定である. また、これらの自配受精個体について、形態の観察とAFLPやRAPDを行うことにより、QTLマッピングを行う予定であり,18年度は具体的にどの形態形質を計測するかやどの分子マーカーを使うかについての情報収集も行った. さらに、実際に淘汰圧がかかる形態形質を特定するために、オオバヤシャゼンマイ由来の前葉体を野外に移植することを計画し,その準備も行った.準備したものの移植は、平成19年度の9月までは、人工気象器内で培養し,その後野外に移植する予定である.
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Research Products
(1 results)