2008 Fiscal Year Annual Research Report
太陽活動の長周期変動のメカニズム解明および太陽活動が地球気候に与える影響の評価
Project/Area Number |
06J06353
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮原 ひろ子 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 太陽 / 宇宙線 / 宇宙線起源核種 / マウンダー極小期 / 気候変動 / 樹木年輪 / 加速器質量分析法 / 小氷期 |
Research Abstract |
本研究では、屋久杉等の古木や南極氷床コアに含まれる宇宙線起源・放射性核種の濃度を1年の時間分解能で測定し、過去2500年間における太陽11年/22年周期の特性の変化を調べ、太陽の数十から数百年スケールの長周期変動のメカニズムを明らかにすることを目的としている。また、太陽の長周期変動が地球の気候に影響するメカニズムについても調査を行っている。本年度は主にマウンダー極小期と中世の温暖期について、宇宙線起源・放射性核種の分析および解析を行い、宇宙線の11年/22年周期変動の特性を詳細に調べた。また、放射性核種の分析に用いられたものと同じ古木から得られた酸素同位体比データを解析し、マウンダー極小期と中世温暖期における気候変動に太陽および宇宙線が果たした役割を調べた。その結果、(1)マウンダー極小期、中世温暖期ともに宇宙線のモジュレーションが現代とは大幅に異なっており、宇宙線の飛来量に22年周期が顕著に現れること、(2)マウンダー極小期、中世の温暖期とも気候変動に明瞭な22年周期が現れること(ただしマウンダー極小期では太陽周期が14年に伸びていたため、"22年"周期は実際には28年周期であり、中世温暖期では太陽周期が9年であったため、"22年"周期は18年であった)が明らかとなった。日射量変動にはこのような"22年"変動は見られない。したがって、太陽が気候変動に影響するメカニズムには宇宙線が大きな役割を果たしていることが示された。太陽活動と宇宙線変動の11年周期および22年周期の特性の時間変化が明らかとなったことで、数十年の時間スケールにおける気候変動パターンを理解するための手がかりが得られた。この結果はEPSLに公表した。また現在より詳細な内容を示した論文を執筆中である。
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Research Products
(6 results)