2006 Fiscal Year Annual Research Report
急速凍結免疫エッチングレプリカ法による細胞膜裏打ち細胞骨格の制御機構解析
Project/Area Number |
06J06371
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡辺 崇 名古屋大学, 先端技術共同研究センター, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 細胞骨格 / 細胞膜 / 低分子GTP結合蛋白質 |
Research Abstract |
細胞は細胞内外のシグナルに応答し、細胞骨格を始め細胞内小器官、多種多様な蛋白質を非対称に分配して極性を獲得する。この過程で、低分子量GTP結合蛋白質Rac1やCdc42は特定の細胞膜上で活性化し、細胞膜近傍における細胞骨格の再構築・極性を制御すると考えられているが、その詳細な分子機構は未だ不明な点が多い。 Rac1とCdc42の標的蛋白質であるIQGAPやSra-1は、アクチンフィラメントに直接結合することで遊走する細胞のリーデングエッジに濃縮し、ラメリポディアの形成に関与している。私は急速凍結免疫エッチングレプリカ法により、細胞膜近傍におけるIQGAP1とSra-1の局在を電子顕微鏡下で検討した。その結果、IQGAP1は細胞膜直下のアクチンフィラメント上に多く認められた。一方、Sra-1は細胞膜近傍のアクチンフィラメントと微小管に局在していた。また、Rac1やCdc42は細胞膜およびアクチンフィラメント上にその局在が観察された。さらに、IQGAP1やSra-1の局在をRac1と同時に比較したところ、IQGAP1とRac1は主にアクチンフィラメント上で共局在していた。一方、Sra-1はアクチンフィラメント上でRac1と共局在したが、微小管上ではRac1と共局在しなかった。これら結果から、Rac1はIQGAP1やSra-1と共に細胞膜近傍におけるアクチンフィラメントの配向を制御していることが明らかとなった。さらに、Sra-1はRac1とは独立して微小管上に局在していることが明らかとなった。 また、我々は新規Rac1/Cdc42標的蛋白質としてIQGAP3を同定し、その性状解析を行った。その結果、IQGAP3は細胞骨格の再構築を介して、PC12細胞における神経突起や初代海馬神経細胞における軸索伸長を正に制御することを明らかとした。
|
Research Products
(2 results)