2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁気嵐に伴う磁気圏-電離圏内におけるプラズマ擾乱の発生と発達過程の研究
Project/Area Number |
06J06408
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新堀 淳樹 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 磁気嵐 / 内部磁気圏 / 局所電場 / 磁場 / 環電流 / 太陽風 / 磁気急始 / 遮蔽電場 |
Research Abstract |
磁気急始(SC)やその後に続く磁気嵐中の電離圏、内部磁気圏・プラズマ圏における電流、電場や磁気擾乱の発生並びに発達過程でのプラズマの応答、擾乱の伝播、エネルギーや物質の輸送機構について解明することを目的として、本年度はSCや磁気嵐中の電磁場の変動特性を中心に解明するために1989年1月から2007年1月に至るまでの約18年間という長期間の地上磁場、内部磁気圏内を飛翔しているあけぼの、IMAGE、GOES衛星の電場・磁場・オーロラ画像観測データならびに太陽風パラメータを用いてSCによる磁場変動の惑星空間磁場(IMF)と磁気地方時の依存性や磁気嵐の発達・衰退過程における内部磁気圏の電場・磁場構造の形成過程について次のような新たな知見を得た。 1.SCの振幅の磁気地方時とIMF依存性 その磁気地方時に対する依存性は、真夜中(22-02h MLT)で極大となり、正午(11-13h MLT)付近で第2の極大を迎える一方、朝側(5-7h MLT)付近で極小、夕方側(16-18h MLT)付近で第2の極小となる分布を示した。特にIMF_Bzが南向きの場合、夕方側-夜側におけるSCの振幅が異常増大する傾向にあることが明らかになり、オーロラ画像との対比からこの領域で新たなregion-1型の電流系が形成されていることが判明した。 2.磁気嵐における内部磁気圏の電磁場構造 磁気嵐主相時において地球近傍の領域(L<6)に特徴的な局所電場が形成され、その構造は、電場強度と出現位置に関して特徴的な朝-夕の非対称性を示していた。特に、その電場は、環電流の発達期に呼応して出現し、電場強度が最大となる領域と磁場の変動量が最大となる領域にほぼ一致していることがわかった。一方、磁気嵐回復相になると、その局所電場強度は著しく減少し、特に昼間側(13-16h)と夜側(23-03h)の領域に遮蔽電場が形成されていることが判明した。
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