2007 Fiscal Year Annual Research Report
磁気嵐に伴う磁気圏・電離圏内におけるプラズマ擾乱の発生と発達過程の研究
Project/Area Number |
06J06408
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新堀 淳樹 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 磁気急始(SC) / DP2型変動 / 磁気圏界面電流 / Cowlin効果 / 磁気赤道 / 領域I型の沿磁力線電流 / 西向き赤道電離圏電流 / 電場 |
Research Abstract |
太陽フレア現象によって放出される高密度・高温プラズマ雲が地球磁気圏に衝突することによって発生する磁気急始(SC)現象は、開始時刻やその発生要因が見極めやすい変動形態を持つため、太陽風-磁気圏-電離圏相互作用という磁気圏物理の基礎課程を理解する上で非常に重要な擾乱現象である。本年度は、磁気赤道から中緯度領域におけるSCの磁場振幅の磁気緯度と磁気地方時の分布を明らかするために、まず、1981年1月から2008年1月までの約27年という長期間のSYM-H指数データを用いてSCのイベントリストを作成した。ここでのSCイベントは、そのSYM-H指数データにおいて約10分間以内で5nT以上の振幅を持ち、そのときの変化率が1.5nT/min以上を示す現象として定義されている。そのリストに基づいて磁気赤道から中緯度に属するほぼ同じ磁気経度の5つの観測点(女満別、柿岡、沖縄、グアム、ヤップ)で得られたSCの磁場振幅について解析を行った。その結果、昼間側の振幅の日変化は、中緯度では朝側で減少し、午後側で増加するといったDP2型の変動を示す一方、低緯度では、正午付近で振幅が最大となる磁気圏界面電流起源の磁場変動が卓越する分布を示した。さらに、磁気赤道では、Cowling効果によって極域電離圏から持ち込まれた電場によって形成される電離圏電流が強くなり、その磁場振幅が異常増加を示した。その振幅分布は、午前10時ごろに最大となった。一方、夜側においては、全ての観測点で振幅が増加し、磁気緯度が高くなるに従ってその増加量が大きくなる傾向を示した。この傾向から、夜側における振幅の増加要因は、磁気圏の圧縮によって作られる領域1型の沿磁力線電流の作る磁場擾乱であると考えられる。ただし、磁気赤道においで他よりも振幅が小さくなることが新たに見出され、夜側を流れる西向きの赤道電離圏電流によるものであることが判明した。
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