2006 Fiscal Year Annual Research Report
シアノバクテリアのKaiCリン酸化概日時計の同調メカニズム
Project/Area Number |
06J06440
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村山 依子 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 概日時計 / シアノバクテリア / 同調 / Kaicリン酸化 |
Research Abstract |
私の所属する研究室では、概日時計の分子機構およびその生理機能を解明することを目的として、シアノバクテリアを用いて研究を行ってきた。シアノバクテリアの概日リズム発生には3つのKaiタンパク質が必要であり、試験管内でKaiA, KaiB, KaiCタンパク質をATPとともに混ぜるだけで、約24時間周期のKaiCタンパク質のリン酸化振動が再構成される。このin vitro再構成系は、概日時計の3つの特徴のうち、(1)「自律振動性」と(2)「温度補償性」を満たすことがすでに検証されている。本研究では、(3)「環境への同調」に関してin vitro再構成系を用いて調べ、シアノバクテリアの概日時計の同調メカニズムを解明することを目指した。シアノバクテリアは、光や温度といった外界刺激により概日時計の位相をリセットすることで、昼夜交代などの外界のサイクルに概日リズムを同調させている。はじめに、in vitro再構成系(Kaicリン酸振動)の位相をリセットできる刺激を探索した。様々な条件を試した結果、温度変化が効果的であることがわかった。30℃でインキュベーションしたin vitro再構成系に45℃4時間ので過的な温度変化を与えたところ、温度変化を与えた時間によってKaiCリン酸化振動の位相が-4〜4時間の範囲で変化した。この45℃4時間の温度パルスのPRC(位相応答曲線)からは、in vitro再構成系が周期的な温度パルスに対して同調することが予測できる。次年度は化学振動子であるKaicリン酸化振動が、温度サイクルに同調できるかを明らかにする予定である。
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