2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しいフラビン結合青色光センサータンパク質BLUFドメインの光シグナル変換過程
Project/Area Number |
06J06451
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福島 佳優 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 特別研究員-DC2
|
Keywords | 青色光センサータンパク質 / シアノバクテリア / フラビン / 電子伝達 / 遺伝子操作 / 光生物 / 色素機能 / 生体エネルギー |
Research Abstract |
新しいフラビン結合青色光センサータンパク質BLUFドメインの光シグナル変換過程を検討するために、タンパク質アミノ酸残基に,部位変異的変異を導入し、低温分光で反応機構を解析し、さらに分子動力学的解析を行うことで、この変異の影響を評価した。BLUFドメインは1分子のフラビンを含み、そのフラビンはGln50,Asn32,Q50などと水素結合している構造がX線結晶解析で得られている。これらの変異体解析から以下の結果を得た。(1)Asn32変異体(N32Q、32A)は野生型と類似した光反応を起こした。(2)Gln50変異体(Q50M,Q50A)では正常な反応はみられなかった。(3)Tyr8変異体(Y8A,Y8F)も同様に正常な反応を室温ではしめさなかった。従って、フラビンと直接水素結合をしているGln50および、これと水素結合するTyr8が重要な役割をもつ。さらに低温77Kでの光反応の解析をおこなったところ、室温で光活性をしめさないY8A,Y8Fが光励起にともない、収率はおちるが正常に近い赤色シフトを示すことを発見した。これをさらに詳しく調べるたところ室温付近では反応物が不安定になることで、反応がとまることがわかった。これは他の研究グループが提唱している、Y8とフラビンの間での電子移動反応が赤色シフトを起こす引き金となるという機構を否定するものであるう。Y8の役割を検討するために、分子動力学計算(Amber)により、水中のBlufタンパク質の動きの変化を検討した。この結果、Y8A,Y8FではフラビンのNと水素結合するGln50の構造揺らぎが大きく変化し、配向を変えていることが推定された。このような推定をフラビンの蛍光寿命の変化からも検討した。
|
Research Products
(3 results)
-
-
-
[Presentation] Photoreaction of cyanobacterial BLUF protein PixD studied by low temperature spectroscopy and site-directed mutagenesis2007
Author(s)
Fukushima, Y., Murai, Y., Okajima, K., Ikeuchi, M., Itoh, S.
Organizer
14th International Photosynthesis Congress
Place of Presentation
Glasgow,UK
Year and Date
20070723-27