2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ細孔中の新規ヘリウム量子流体における1次元状態の解明
Project/Area Number |
06J06452
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松下 雄樹 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員-CD2
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Keywords | 低次元 / 量子流体 / ヘリウム |
Research Abstract |
1次元量子流体について実験的に調べるために、シリケート基板FSM-16の1次元細孔中において実現した4Heボース流体のナノチューブについて、1次元性等の研究を進めてきた。このボース流体ナノチユーブにおける素励起は、チューブ断面の円周方向は離散的なエネルギーを持つ。このため、基底状態からのギャップエネルギーより十分に低い温度では、チューブ方向の1次元フォノン熱励起のみが存在する1次元状態実現する。我々は細孔直径が1.8,2.2,2.8nmの1次元ナノ細孔基盤において吸着4Heの比熱測定を行い、それぞれの基盤で実現した4He流体のナノチューブのギャップエネルギーやフォノン音速の大きさを見積もった。そしてギャップエネルギーは細孔直径が小さくなるとともに大きくなる傾向と、音速は他の吸着4He流体薄膜の音速と同程度であることを見出した。3次元ナノ多孔体HMM-2の細孔壁面を4Heで1層程度覆ったあと3Heを僅かに吸着した場合、吸着3Heは気体定数程度の大きさの比熱を示しボルツマンガス的な状態が実現したと考えられる。十分に低温まで下げて温度ドブロイ波長が細孔の3次元的なつながりの周期程度になった場合には、3次元フェルミガスの実現が示唆される。
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Research Products
(3 results)