2007 Fiscal Year Annual Research Report
CMP-シアル酸合成酵素の多機能性の証明および生物学的意義の解明
Project/Area Number |
06J06563
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤田 明子 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員-PD
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Keywords | sialic acid / KDN / CMP-siaaic acid svnthetase / substrate soecificity / cellular localization |
Research Abstract |
CMP-Sia合成酵素(CMP-Sia synthetase;CSS)は、Siaの発現に必須の酵素で、Mg^<2+>の存在下でSiaとCTPから活性化体CMP・Siaを合成する。脊椎動物CSSは、アミノ酸約432残基からなり、活性領域はN末端側270残基にある。ニジマスCSSは、Neu5Ac、KDNともに基質とするのに対して、マウスCSSは、NeuSAcのみを優先的に基質とし、生物種によって基質特異性が異なる。つまり、糖タンパク質、糖脂質上に発現するSia分子種はCSSの基質特異性に依存して選択される。本研究では、CSSのSia分子種に対する特異性を決定する構造的要因を探ることを目的として、ニジマスおよびマウスCSSのキメラ酵素を作製して、それらの基質認識性を解析した。本研究で開発したCSS簡易活性測定法を用いて、様々なキメラ酵索の活性測定を行った結果、酵素活性に必要なN末端領域の中でも、特にC末端側の十数残基がSia分子種の認識において重要であることを示した。 また、CSSの大きな特徴として、核局在がある。これは他の糖ヌクレオチド合成酵索にはない特徴である。本研究では、マウスCSSの哺乳類細胞における細胞内局在を観察している過程で、確かにこれまでの報告と同様に核局在性CSSをもつ細胞が主嬰ではあったものの、30%近くの細胞において、細胞質に局在することが観察された。そこで、CSSの細胞内局在はNLSのみが支配しているのではなく、核外移行シグナル(NES)も関与しているのではないかと考え、NESの有無について調べた。まず、マウスCSSは推定NESが4つ存在したが、ニジマス由来CSSにも保存されている推定NESはN末端領域とC末端領域に一つずつ存在していた。実際に、推定NESの欠失した変異体を作製し、その細胞内局在を調べた。また、これらの推定NESとGFPとの融合ペプチドを作製し、その局在を調べた。その結果、推定NESが実際にNESとして機能することが確かめられ、マウスCSSの細胞内局在は、NLSとNESの双方によって制御されていることがわかった。また、推定リン酸化部位の欠失変異体の細胞内局在から、CSSのリン酸化が核外移行に影響することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The rainbow trout CMP-sialic acid synthetase utilises a nuclear localization signal different from that identified in the mouse enzyme2007
Author(s)
Tiralongo, J., Fuiita, A., Sato, C., Kitajima, K., Lehmann, F., Oschlies, M., Gerardy-Schahn, R., Munster-Kuhnel, A. K.
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Journal Title
Glycobiology 17
Pages: 945-954
Peer Reviewed
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