2006 Fiscal Year Annual Research Report
プレート沈み込み帯におけるプレート間の力学的相互作用の時間変化の解明
Project/Area Number |
06J06596
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 雄策 名古屋大学, 環境学研究科(理学), 特別研究員(DC2)
|
Keywords | キネマティックGPS / GPS地震計 / 座標時系列安定性 / スロースリップイベント / プレート間カップリング |
Research Abstract |
平成18年度においては主にキネマティックGPS測位技術を地震計として利用するための精度検証についての評価を行った.GPSを地震計として用いる場合(以下GPS地震計),その利点は機械的な帯域制限が存在しない点にある.そのため短周期地震動から永久変位成分までを統一的に扱うことのできるセンサーとしてGPS地震計は有用であると考えられる.しかしGPS地震計の詳細な精度評価を行った研究は非常に少ない.更に従来用いられてきたある基準局に対する変動を求める基線解析ではなく,単独の観測点の変動を精密に求める精密単独測位法(PPP法)によるキネマティック解析に関する料度評価はほとんどなされていなかった.こうした観点から,PPPキネマティック座標時系列の精度評価を行った.その結果,座標時系列の安定性にはGPS衛星の時計補正情報が大きく影響を与えることが明らかになった.PPP法においては高精度に決定されたGPS衛星の軌道情報と時計補正情報が必須である.こうした時計補正情報に関しては複数の解析センターが地上GPS観測点のデータに基づいてその解析値(プロダクト)を提供している.特にAIUB/CODEとJPLは通常他の機関が提供するよりも高サンプリング(30秒毎)のプロダクトを提供している.今回はそれらを用いて,各プロダクト間の精度の差異を調べた.その結果,AIUB/CODEが提供する高サンプリングプロダクトを用いた場合が座標時系列の安定性が最も良い事が明らかになった.対照的にJPLの高サンプリングプロダクトでは短周期ノイズが卓越し,時計補正情報プロダクトに何らかのノイズが混入している可能性が明らかになった.また,座標時系列の長期安定性に関しても同時に評価を行った.その結果,座標値の絶対値がある特定の日を境に大きく偏差を持つ場合があることが明らかになった.
|
Research Products
(3 results)