2006 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドライブラリを用いたタンパク質架橋酵素ファミリーの至適基質配列の解明と展開
Project/Area Number |
06J06701
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉村 禎昭 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | トランスグルタミナーゼ / ペプチドライブラリ / ファージディスプレイ / 蛋白質架橋反応 |
Research Abstract |
トランスグルタミナーゼ(TGase)は、タンパク質中のグルタミン残基とリジン残基(若しくは一級アミン)との間に共有結合を形成する反応を触媒する一群の酵素である。申請者はファージディスプレイ法を応用することで、本酵素に対する高反応性基質配列をランダムペプチドライブラリから探索する手法を確立し、主要なアイソザイムであるTGase 2、Factor XIII(血液凝固第XIII因子)、それぞれに対して特異的に高い反応性を示すグルタミン残基側の基質配列T26(HQSYVDPWMLDH)、F11(DQMMLPWPAVKL)を取得することに成功した。その反応性は既知の基質配列に比べ非常に高いものであった。更にアラニン置換実験から、その反応性の高さに必要な配列上の要素を同定することに成功した。これらの実験により得られた知見はTGaseの基質認識機構の解明、ひいては本酵素に対する阻害剤の開発等において大きな意味を持つものと考える。なお上記配列の応用事例として、T26をN末端若しくはC末端に付与した融合組換えタンパク質と、標識一級アミンないし一級アミノ基を有する固相担体とを反応させることで、標的タンパク質の部位特異的標識・部位特異的固定化が可能であることを示した。 更に、健全な皮膚の形成・角質化に必須であるTGase 1についても、バキュロウィルス-昆虫細胞系を用いることで組換え体として多量の酵素標品を取得し、同様の探索手法を展開した。現在までに、複数の高反応性基質配列を取得することに成功しており、その詳細な解析を進めているところである。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Identification of substrates for transglutaminase in Physarum polycephalum, an acellular slime mold, upon cellular mechanical damage
Author(s)
Fumitaka Wada, Hiroki Hasegawa, Akio Nakamura, Yoshiaki Sugimura, Yoshiki Kawai, Narie Sasaki, Hideki Shibata, Masatoshi Maki, Kiyotaka Hitomi
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Journal Title
FEBS Journal (2007年2月23日受理、印刷中)
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