2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J06718
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金山 範明 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 離人感 / 自己知識構造 / プライミング / 顔 / 脳波 |
Research Abstract |
離人症性障害において見られるいくつかの症状は,自己認知を支える基本的な自己感覚の喪失であると考えられる.しかし現在では現象の詳細な分類が行われていないため,離人現象を自己認知と直接関連付けることが困難である.よって本研究では,離人症性障害において見られる症状を詳細に分類する. 平成19年度4月より調査用紙を作成,大学内の各種講義の残り時間に質問紙を配布し調査を行った.調査対象者は名古屋大学内の大学生であった.離人感の感覚異常,現実感喪失,感情鈍磨の三現象が因子分析の結果抽出された.本研究の詳細な結果は,パーソナリティ研究に掲載予定である. また,これらの因子が自己関連情報の統合及び自己認知に関係しているのかどうかを明らかにするとともに,離人感と自己関連情報の関連性と,その生理的基盤を明らかにするために,自己顔プライミング課題を用いて実験的に検討する.第一に,自己顔プライミング手続きが正常に遂行できるかどうかを検討するため,健常者のみを対象にして自己顔プライミング実験を行った.本実験は,平成19年度10月よりの名古屋大学文学部の授業内で,学部生への演習課題として設置し,受講学部生との協力の元に遂行された.実験参加者は名古屋大学内の大学生11名(男性5名,女性6名)であった.実験では,反応時間によりプライミングの効果を評価するとともに,脳波を測定することによって脳活動を同時に評価した.その結果,自己顔プライミングが自分の顔と情報の意味プライミングのみに生起し,他者の顔や情報を使った場合には生起しないことが観測された.本実験結果は,自己顔プライミングという課題が正確に遂行されたこと,自己顔プライミングによって自己知識構造の緊密性を評価できる可能性を示唆している.
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Research Products
(2 results)