2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J06777
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森下 博文 独立行政法人理化学研究所, 神経回路発達研究チーム, 特別研究員(PD)
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Keywords | 視角皮質 / ミエリン化 / カドヘリン / 眼優位可塑性 / 電気生理 / マウス |
Research Abstract |
本研究は視覚皮質臨界期可塑性を終了に導く新規分子制御機構の解明を目的とし、特にミエリン化との関連に着目し本年度の研究を展開した。まずCNR/Pcdh-aファミリー、細胞接着因子L1,やGAP43といった一連の蛋白質群の軸索での局在が、軸索でのミエリン化に伴い減弱することを明らかにした。このことは、ミエリン化が軸索の成熟過程でより積極的に関与していることを示唆する知見であった(Morishita et al.,Eur.J Neurosci,2004,研究発表Morishita et al JBC2006、研究発表(総説)、森下・八木2006)。このダイナミックなミエリン化の時期は視覚皮質では眼優位可塑性の臨界期の時期に対応していたことから、ミエリン化、ならびにミエリン化により局在を変える蛋白質群が臨界期の可塑性に関わる可能性も想定し、CNR/Pcdh-aノックアウトマウスの眼優位可塑性の電気生理学的解析を行った。その結果、CNR/Pcdh-aノックアウトマウスでは通常では可塑性の見られない短期間(2日)の単眼閉遮でも眼優位可塑性がみられ、CNR/Pcdh-aが眼優位可塑性のnegative regulatorとして機能していることが示唆された(Morishita et al, Cold Spring Harbor Meeting 2006,Society of Neuroscience 2006)。このようなCNR/Pcdh-aを含む分子群がミエリン化の下流で局在を変えることからミエリン化が眼優位可塑性に与える影響は大きいと考えられ、研究代表者は2006年6月よりHarvard大学He研究室との共同研究でさらにミエリン化と臨界期可塑性の終了との関連についての包括的な解析を開始している。
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Research Products
(2 results)