2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J06777
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森下 博文 The Institute of Physical and Chemical Research, 神経回路発達研究チーム, 特別研究員(PD)
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Keywords | 視覚皮質 / ミエリン化 / Nogo Receptor / 眼優位可塑性 / 電気生理 / マウス / 弱視 / 国際研究者交流、米国 |
Research Abstract |
本研究は視覚皮質臨界期可塑性を終了に導く新規分子制御機構を解明し、弱視回復治療に応用することを目的とし、特にミエリン化との関連に着目し研究を展開した。前年度、ミエリン化に伴い軸索での局在が現弱するCNR/Pcdh-aファミリーが臨界期可塑性のブレーキとして機能することを明らかにした(Morishita, et. al., SFN abstract 2006、 Cur Opi Cell Bio1 2007)。このようにCNR/Pcdh-aを含む分子群がミエリン化の下流で局在を変えることからミエリン化が眼優位可塑性に与える影響は大きいと考え、本年度はミエリン化と臨界期可塑性の終了との関連について解析を行った。Harvard大学He研究室との共同研究で、ミエリン化に伴い発現が増加し、ミエリン中の再生阻害分子の受容体であるNogoReceptorを解析した。同分子の欠損マウスの眼優位可塑性の電気生理学的解析を行った所、本来では可塑性がみられないアダルトにも可塑性がみられ、Nogo receptorがアダルトにおける主要な可塑性のブレーキであることが明らかとなった。また同分子の欠損マウスに対し、臨界期中に長期単眼閉遮を施した後に開眼し、弱視からの回復の程度を解析した所、野生型マウスでは弱視が回復しない条件においても、回復が見られた。このマウスは、弱視からの回復が認められた初めてのケースであり、Nogo Receptorを介するミエリンからのシグナルを抑制することが弱視回復治療の新たなストラテジーとして示された。
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Research Products
(1 results)