2006 Fiscal Year Annual Research Report
中山間地における土砂災害危険度評価法の高精度化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06J06836
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 公一 新潟大学, 自然科学系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 不飽和 / 砂質土 / 粘着力 / 繰り返しせん断 |
Research Abstract |
2004年に発生した新潟県中越地震により旧山古志村を中心とした地域で斜面崩壊や地すべりなどの土砂災害が発生し,このとき崩壊したのは主に砂岩である.そこで,不飽和砂質土の静的・動的せん断特性について様々な検討を行った.以下,2つに別けて記述する. 1.旧山古志村小松倉より採取した不撹乱砂質土を用いて,静的・動的強度特性を調べ得られた知見を以下に示す. (1)せん断抵抗角は密度が同じであれば,撹乱・不撹乱,および飽和度によらずほぼ同じである. (2)不撹乱試料をs=50kPaで不飽和化した場合の粘着力は,不飽和化による見せかけの粘着力に年代効果による固結分が足されて現れる. (3)不撹乱試料は撹乱試料に比べ,固結の影響で繰返し載荷による強度低下が小さい. 今後,不撹乱試料に対して不飽和繰り返し試験を行い,不撹乱試料が不飽和化された場合の動的特性について検討を行う. 2.密度・細粒分含有率などの物理試験から,容易に粘着力や内部摩擦角などの地盤強度を算定できる指標の構築を目指すため,豊浦砂,DLクレイ,三本木原トンネルより採取した砂を用いて試験を行った.得られた結論は以下の通りである. (1)不飽和土において,細粒分が多く,密度が大きく,サクションが大きくなるほど粘着力が増加した. (2)サクションが空気侵入値AEVまでは,飽和土の内部摩擦角$phi$に沿って粘着力が大きくなる.サクションがAEV以上では,粒径分布が均一であれば粘着力の増加は小さく,粒径分布がよければ粘着力の増加は大きい.この粘着力の増加傾向は,粒径分布や水分特性曲線と似た傾向を示している. 今後,細粒分含有率などの他のパラメータの検討や,塑性試料についても検討を行う.
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Research Products
(4 results)