2007 Fiscal Year Annual Research Report
組織形成を制御する細胞相互ネットワークにおける核膜タンパク質の分子機能
Project/Area Number |
06J06860
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
襲田 真一 Niigata University, 自然科学系, 特別研究員(PD)
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Keywords | ヒートショックタンパク質 / Hsp22 / Bタイプラミンnull変異体 / 転写制御因子 |
Research Abstract |
Hsp22は、ストレス刺激に反応して発現が誘導されるが、発生及び加齢に伴いタンパク質の発現が転写レベルで誘導されることも最近示されている。研究室の飼育条件ではHsp22の発現は、羽化して12日までは検出されないが、約40日目以降では発現が検出できる。Lam14での転写調節機構の異常を明らかにするため、野生型で見られるHsp22の誘導がどのような因子により制御されているかを検討した。始めに、すべてのHspに共通している転写の熱反応性エレメント(HSEs)を含む翻訳開始点から上流314bpのHsp22プロモーターDNA配列にレポーター遺伝子であるLacZ遺伝子を連結した組換え遺伝子を持つ形質転換体を用いて解析した。その結果、このDNA配列内に発生にともなって遺伝子の発現を上昇させるエレメントが存在していることが示された。このプロモーター内のHSEsに欠損または点変異を入れた場合、発生にともなうHsp22の発現が誘導されなくなったのでHsp22の発現にはHSEsが必要であることが分かった。次に、Hspに共通している熱反応性転写誘導因子(HSF)がHsp22の転写の活性化に必要であるかをHSFの温度依存型ロスオブファンクション変異体を用いて解析した。飼育温度を29度にし、HSFを不活性型すると、Hsp70の熱誘導による転写は不活性化されたがhsp22の発生に伴う転写は野生型と同様に起こった。以上より発生に伴うHsp22の遺伝子の発現はHSF以外の未知の転写制御因子が関わっている事が明らかになった。Lam14でみられる転写の異常はこの因子の制御に関わってくることが推測される。現在、Lam14でのこの因子の動態を明らかにするため、ワンハイブリッド法などを用いてその転写制御因子のクローニングを進めている。
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Research Products
(2 results)