2007 Fiscal Year Annual Research Report
階層的挟み撃ち探索を用いたAND/OR木検索の並列処理による高速化
Project/Area Number |
06J06909
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鷹野 芙美代 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 並行探索 / 探索アルゴリズム / AND / OR木 / 高速化手法 / 人工知能 |
Research Abstract |
探索問題は人工知能の基礎として盛んに研究されており、人間の思考・推論の表現など様々に用いられている。しかし、探索範囲が広いと解の発見に長時間必要となるため求解の高速化が望まれている。そこで、本研究では、AND/OR木として表される問題の探索を例として、処理の高速化を図る。一般にヒューリスティック探索では、評価値の高い経路のみ探索することで早期に解を発見しようとするが、評価値の低い経路上に解がある場合には求解に非常に長い時間を要するという問題がある。 本年は、AND/OR木の逐次探索手法である複数経路並行探索を提案し、評価を行った。複数経路並行探索は、従来手法で探索する評価値の高い経路に加え、一時的に評価値の低い節点も選択する複数の経路を並行して探索する手法である。さらに、解である可能性の高い評価値の高い経路を重点的に探索しながら、その周辺の評価値の低い節点を含む経路を並行して探索することで、評価値の高い経路の探索だけでは求解に時間がかかる場合にも短時間で解を得ることを可能としている。また、提案手法では実行時に並行に探索する経路数や粒度などのパラメータ値を指定する必要があり、適した値を検討する必要がある。 提案手法である複数経路並行探索を評価した結果、従来から良いとされている評価値の高い経路のみを探索する手法に対して、高速化することが確認できた。特に、従来手法において求解に長時間要する問題に対して大きく高速化した。さらに、提案手法における並行に探索する経路数や粒度などは事前に検討・決定せずとも、任意のパラメータ値を用いることでロバストな高速化が可能もあることも確認できた。
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