2006 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングとGISによる草資源量および家畜栄養摂取量の広域評価手法の開発
Project/Area Number |
06J06934
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
川村 健介 独立行政法人農業環境技術研究所, 生態系計測研究領域, 特別研究員(PD)
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Keywords | リモートセンシング / GIS / 草地診断 / 放牧管理 / 空間分布 / 家畜行動 / 北海道 / 大規模定置放牧 |
Research Abstract |
飼料生産の場としての草地および放牧地においては,時々刻々と変化する草資源量と牧草成分を広域的かつ定量的に把握する草地診断技術ならびに広大な放牧地に放たれた家畜がどの場所でどれくらい草を食べているのかを広域的に評価する技術の開発が求められる。そこで本研究では,1)多段階観測(マルチステージモニタリング)による草資源量およびその牧草栄養価と2)全地球測位システム(GPS)と家畜用顎運動測定機器による家畜栄養摂取量の広域的評価手法の開発を目的としている。 初年度は現地調査を中心として,1)草生産性および牧草栄養価の推定のための分光反射計測と,2)GPSおよび加速度センサー(牛の顎運動測定)を利用した放牧期間中の採食行動の識別とその空間的分布の把握を試みた。調査は,那須の畜産草地試験場のシバ優占草地(3ha)と北海道農業研究センターの放牧試験区(約12ha)にて行った。これらの現地調査は,それぞれ畜産草地試験場の草地動態モニタリング室と北海道農業研究センターの集約放牧研究チームと共同で行った。 PLS回帰推定における波長選択によって,地表面反射スペクトノレ(400-2350nmの波長域,5nmごとの平均値)から,混播草地における草量と草飼料価値の指標となる粗タンパク(CP)と酸性デタージェント繊維(ADF),中性デタージェント繊維(NDF)の推定に重要な波長がそれぞれ得られた。また,加速度センサーから放牧時間内における牛の摂食,反芻,休息といった放牧行動の識別が可能になった。今後は,航空機・衛星リモートセンシングデ「タの利用およびGISによる家畜行動情報との協働によって,広域面積における草地診断技術の構築を試みる。
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