2008 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングとGISによる草資源量および家畜栄養摂取量の広域評価手法の開発
Project/Area Number |
06J06934
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川村 健介 Hiroshima University, 大学院・国際協力研究科, 准教授
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Keywords | リモートセンシング / GIS / 草地診断 / 放牧管理 / 空間分布 / 家畜行動 / 北海道 / ニュージーランド |
Research Abstract |
飼料生産の場としての草地および放牧地においては,時々刻々と変化する草資源量と牧草成分を広域的かつ定量的に把握する草地診断技術ならびに広大な放牧地に放たれた家畜がどの場所でどれくらい草を食べているのかを広域的に評価する技術の開発が求められる。そこで本研究では,1)多段階観測(マルチステージモニタリング)による草資源量およびその牧草栄養価と2)全地球測位システム(GPS)と家畜用顎運動測定機器による家畜栄養摂取量の広域的評価手法の開発を目的としている。 北海道の現地調査から,定置放牧草地において(1)ハイパースペクトル計測(400-2350nm)による草生産性および牧草栄養価の推定が可能になった。また(2)GPSおよび加速度センサー(牛の顎運動測定)を利用した放牧期間中の採食行動の識別とその空間的分布の把握が可能になった。これらの調査は,北海道農業研究センターの放牧試験区(約12ha)にて北海道農業研究センターの集約放牧研究チームと共同で行った。2007年10月からは,ニュージーランドAgResearch Grassland Research Centreにて,同様の現地調査および解析を実施した。その結果,ハイパースペクトル計測で得られた草量と草質および標高などの空間情報から,ニュージーランド高原放牧草地における羊の尿排出場所予測への応用が示唆された。これら家畜の尿排出場所の空間的な分布の予測は,牧場からの温暖化効果ガス放出の抑制対策を検討する際に有益な情報になりうると期待される。
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