2006 Fiscal Year Annual Research Report
拮抗微生物の機能利用による微生物制御法の開発と機能発現を阻害する環境要因の解明
Project/Area Number |
06J06938
|
Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
染谷 信孝 独立行政法人農業環境技術研究所, 生物生態機能研究領域, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 生物防除 / 拮抗微生物 / 抗生物質 / 植物病原菌 / 相互作用 |
Research Abstract |
各種植物根圏から分離した約2,500株の蛍光Pseudomonas属細菌株の抗生物質生産能、特に2,4-diacetylphloroglucinol (DAPG)生合成能をDAPG生合成遺伝子の一つphlDの特異的配列情報をもとにPCRスクリーニングを行い、約30株のポジティブ株を得た。そしてまず、DAPG生産性Pseudomonas属細菌の一株、P.fluorescens LRB3W1株の植物病原性糸状菌に対する抗菌活性を検定し、さらにキャベツおよびトマト植物の重要土壌伝染病害に対する病害抑制効果を調査した。その結果、LRB3W1株はキャベツ苗立枯病、萎黄病およびトマト萎凋病等の土壌伝染性病害に対して顕著な防除効果を示した。また抗生物質DAPG生産性Pseudomonas属細菌、LRB3W1株の病害抑止効果は糸状菌細胞壁分解酵素生産性細菌の存在下において増強されることを確認した。続いてLRB3W1株を含むDAPG生産性Pseudomonas属細菌のDAPG生合成に対する植物病原菌代謝産物フザリン酸(FA)およびフェニル酢酸(PA)の影響を調査するため、両物質を含む培地上で供試菌株を培養後、DAPG産生を検出した。本予備実験の結果、菌株ごとにDAPG生合成におけるFAもしくはPAに対する感受性が異なることが確認された。本結果は植物病原菌に対する拮抗微生物株の主要作用機構である抗生物質生産性が植物病原菌代謝産物の影響を受けることを示し、生物防除資材として利用する際の菌株選抜の重要性を示唆した。
|
Research Products
(3 results)