2007 Fiscal Year Annual Research Report
米中和解と東南アジアの国際関係-東南アジア諸国の対日認識の変容
Project/Area Number |
06J06963
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
鳥谷 亜美子 (昇 亜美子) National Graduate Institute for Policy Studies, 政策研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 国際関係 / 日本外交史 / インドネシア / ベトナム |
Research Abstract |
本年度は具体的なテーマとして、(1)1970年代の日本の東南アジア外交における「反日」世論の意味、(2)デタントが米国・日本・インドネシアの関係に与えた影響、についての研究を行い、学会・研究会等で発表を行うとともに、論考をまとめた。この過程で、「研究実施計画」の通り、米国国立公文書においてNixon Presidential Materialsのファイルから、東南アジア諸国のニクソン・ドクトリンへの具体的な反応を表す文書を収集した。未公開資料についても請求を行い、新資料を入手した。 まず、上記テーマの(1)についてであるが、これまで1970年代の東南アジアにおける「反日」感情・運動については、日本の経済的プレゼンスの上昇とインドネシアの国内政治権力闘争から説明されてきた。本研究では、こうした要素に加えて国際構造の変容という大きな文脈のなかに位置づけて解釈を行った。次に、(2)のテーマについてであるが、従来、デタントとアジアの国際関係についての外交史研究は米中関係、日中関係、日米関係といった二国間関係焦点が当てられてきた。本研究では、アジア域内の諸国間の関係に焦点を当てるという新たな視角を用い、日本とインドネシアの関係を対象としている。さらに、インドネシアの石油および天然ガス開発をめぐる日米関係についても研究を進め、東チモール問題以外の分野では先行研究の少ないニクソン政権の対インドネシア関係についても報告を行った。このように、これらの研究には意義と重要性があると思われる。 なお、次ページに記入した以外の主な成果としては下記が挙げられる。 昇亜美子「東南アジアにおける日本イメージと日本外交-1970年代を中心に」大石裕・山本信人編『イメージの中の日本』(慶應義塾大学出版会、近刊)、135-154頁。
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Research Products
(3 results)