2006 Fiscal Year Annual Research Report
スマートアンテナを利用するアドホックネットワーク通信プロトコルに関する研究
Project/Area Number |
06J07000
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高田 昌忠 静岡大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アドホックネットワーク / 通信ブロトコル / 無線ネットワーク / メディアアクセス制御 / スマートアンテナ / 指向性アンテナ / MACプロトコル |
Research Abstract |
近年,ユビキタス情報通信のための基盤技術として,無線端末だけで構築されるアドホックネットワークが注目されている.従来の無指向性アンテナを利用するメディアアクセス制御(MAC)プロトコルでは,共有媒体を効率的に利用できない問題がある.一方,電子制御によりアンテナの指向性制御が可能なスマートアンテナを利用することで共有媒体を効率的に利用することが期待できるが,そのためには様々の課題の解決が必要である.報告者は,これまでにスマートアンテナを利用する指向性MACプロトコルの課題を明らかにし、それらがネットワークの性能に与える影響を考察している. 本年度は,指向性MACプロトコルにおいて大きなネットワーク性能の劣化をもたらすdeafness問題の解決を行った.Deafness問題とは,指向性で特定の方向のみで送受信が行われるために,通信相手がビジーであるかアイドルであるかを判断できないために生じる問題である.そのため,無駄な再送によるチャネルの浪費の問題を引き起こす.この問題に対して,これから行う通信を近隣の端末へ知らせることでdeafness問題を解決するDMAC/DA (Directional MAC with Deafness Avoidance), deafnessの状態にある端末に対してポーリングを行うRI-DMAC (Receiver-Initiated Directional MAC)の2つの解決法を提案した.これらのプロトコルのシミュレーションによる性能評価を行い,既存方式と比較して低オーバヘッドでdeafness問題を解決できることによる提案プロトコルの有効性を示した.さらに,これらの適用領域を示した.また,指向性MACプロトコルの理論解析による評価を行うための基礎検討を進めた.
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Research Products
(4 results)