2007 Fiscal Year Annual Research Report
DNA複製因子RPAのテロメアにおける新しい機能の解明
Project/Area Number |
06J07002
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
木部 達也 Shizuoka University, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 分子生物学 / テロメア / 染色体 / 遺伝学 / 酵母 |
Research Abstract |
テロメア構造の維持は染色体安定性、細胞分裂寿命の制御に際して重要な役割を担っている。分裂酵母Tazlは、テロメアニ本鎖DNA結合タンパク質であり、tazl破壊株のテロメア長は野生型に比べ約10倍に伸びることが知られている。 生育必須因子RPAタンパク質は、DNA複製、DNAダメージの相同組換え修復、チェックポイントなど様々な機能を持つ一本鎖DNA結合タンパク質である。RPAはテロメア長の制御に関わっており、今までの当研究室の研究によりtazl RPA二重変異株はテロメア配列が維持できないことを明らかにしている。しかし、このテロメア消失の機構は解明されておらず、私はこの消失機構を明らかにしようと試みた。 まず変異型タンパク質RPAは、野生型RPAよりも強くテロメアに結合すること、野生型Rad11のテロメアへの結合はtazl破壊株でも強くなることを明らかにした。これらのことからtail RPA二重変異株では、RPAのテロメアへの過剰な集積がtazl RPA二重変異株のテロメアDNA消失を引き起こす原因と考え、変異型RPAの過剰なテロメア結合を抑圧する変異株の探索を行なった。その結果、RPAの過剰なテロメア結合とtazl RPA二重変異株のテロメアDNAの消失の両方ともが、rhqlの破壊によって抑圧されることがわかった。 tazl RPA二重変異株では、RPAのテロメアへの過剰な集積が本来テロメアで機能すべきタンパク質を阻害している可能性がある。Pot1は一本鎖テロメアDNAに結合することから、tazl RPA二重変異株ではPot1が機能していない可能性を考えた。そこでtazl RPA二重変異株にPot1を過剰発現させたところ、tazl RPA二重変異株のテロメアDNAの消失は抑圧された。さらにRPA単独変異株のテロメア短小化もPot1の過剰発現によって抑制できることがわかった。このことから、RPAとPot1が協同的にテロメア長の維持に関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)