2006 Fiscal Year Annual Research Report
多色発光レポーターを用いた高等植物の多重遺伝子発現に関与する翻訳制御因子の探索
Project/Area Number |
06J07099
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小倉 里江子 横浜国立大学, 環境情報学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 多色発光レポーター / 多重遺伝子発現 / 翻訳制御因子 / Internal Ribosome Entry Site |
Research Abstract |
1、目的 植物に複数の外来遺伝子を効率的に導入し、同時に発現させることが可能な多重遺伝子発現系として、当研究室では単一プロモーター・ターミネーターカセットから複数タンパク質を同時発現させるポリシストロニック遺伝子発現系の開発を実施してきた。現在までにウイルス由来のInternal Ribosome Entry Site(IRES)を用いたポリシストロニック遺伝子発現ベクターが高等植物において有効であることを明らかにしている。そこで本研究では、より高性能なポリシストロニック遺伝子発現系の開発のために、IRESに作用する植物細胞内在性因子(IRES trans acting factor:ITAF)の同定を目的とした。 2、平成18年度研究計画 本年度はITAFの同定に向けて、crucifer-infecting tobamovirus由来のIRESと多色発光レポーター遺伝子を含むベクターを導入した形質転換シロイヌナズナに変異誘起処理し、ハイスループットスクリーニングによって高IRES活性変異体及び低IRES活性変異体を取得することを試みた。 3、平成18年度研究実績 上記に示した形質転換体を作出し、現在スクリーニングに移行中である。また他のレポーターアッセイ系においてスクリーニングを行なった結果、低IRES活性変異体を3ライン取得した。これらの変異体について次世代における解析とともに、原因遺伝子同定に向けたかけ合わせを完了した。一方、多色発光レポーターの植物細胞内における挙動を調べた結果、大腸菌とは異なり一部植物特異的な波長が観察されたが、動物細胞で既に示されている発光波長帯と変化がないことが明らかとなった。
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