2006 Fiscal Year Annual Research Report
ο-アシルイソペプチド法を利用したアルツハイマー病原因Αβ1-42アナログの創製
Project/Area Number |
06J07108
|
Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
相馬 洋平 京都薬科大学, 薬学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | O-アシルイソペプチド / クリックペプチド / アルツハイマー病 / アミロイド / ジペプチドユニット / セグメント縮合 / Aβ1-42 / ペプチド合成 |
Research Abstract |
平成18年度において、本O-アシルイソペプチド法を基盤とした"クリックペプチド"の創製に成功した。具体的一例とし、アルツハイマー病原因ペプチドであるアミロイドβペプチド(Aβ)1-42の光応答型クリックペプチドは、Aβ1-42由来の自己会合性・凝集性を有しない一方、光照射(光クリック)により速やかにインタクトなAβ1-42へ変換されることを発見した。本クリックペプチドを用いることで、望む時間・望む場所でインタクトなモノマーAβ1-42を産出することができ、Aβ1-42モノマーから凝集体に至る病的凝集過程を再現できる可能性が示唆された。 さらに本研究者らは、O-アシルイソジペプチドユニット、Boc-Ser/Thr(Fmoc-Xaa)-OHを基盤としたO-アシルイソペプチド法を開発した。本ユニットを用いることにより、ラセミ化のケアが必要であるなど、様々な点で煩雑な固相上でのエステル化反応を行うことなく、全自動合成などによりルーチンにO-アシルイソペプチド法を使用できると考えられる。本成果はさらにO-アシルイソペプチド法を基盤とした"ラセミ化フリー固相セグメント縮合法"にも繋がった。オリゴペプチドでの合成研究から,本手法を用いることにより,セグメント縮合時においてラセミ化を伴うことなく、目的ペプチドを収斂的に合成可能になることを発見した。すなわち、N-セグメントのC-末端をイソペプチド構造とすることでC-末端セリン/スレオニン残基のα-アミノ基にウレタン型保護基を導入でき、結果として、カルボキシル基活性化時におけるラセミ化が抑制できたものである。これら新規合成法開発に関する成果は、将来クリックペプチド等のさらなる効率的化学合成に貢献できるものと考えられる。
|
Research Products
(6 results)