2006 Fiscal Year Annual Research Report
超多資源計算環境下における効率的な探索を実現するタブサーチメカニズム
Project/Area Number |
06J07179
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
花田 良子 同志社大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 最適化 / タブサーチ / 遺伝的アルゴリズム / グリッド |
Research Abstract |
本研究の目的は,並列処理と親和性の高い確率的最適化手法である遺伝的アルゴリズム(GA)を対象として,超大規模並列環境に適したメカニズムを考案することである.PCクラスタ,グリッドなどの多資源計算環境にGAを適用する際には,GAに膨大な計算リソースを有効に扱え,効率良く探索できるメカニズムが必要となる.本研究では,少ない計算量で有望な領域を集中して探索するといった特徴に加え,全数探索のような計算コストに対する探索領域のスケーラビリティを保証するメカニズムを有するGAを考案している.今年度は,次の研究実績を得た. 1.GAに関する研究 組合せ最適化問題を対象として,形質遺伝に加え,形質獲得に重点をおいた近傍探索に基づく交叉を提案した.そして,巡回セールスマン問題,ジョブショップスケジューリング問題,二次割当問題の3種の異なる問題,および実離散最適化問題として複雑ネットワーク解析における探索性能の検証を通して,順序付け問題一般において,2種の近傍探索を組み合わせることで非常に強力な探索性能を実現することを示した. 2.既探索領域データベースの応用に関する研究 データベースをタブリストとして利用した,既探索解の再評価を回避するタブサーチ,および未探索領域への再初期化の仕組みをGAに取り入れた.実験環境には,PCクラスタに加え,本年度の秋より開始された同志社大学のキャンパスグリッド(United Devices社の商用ミドルウェアGrid MPを利用したシステム)を用いた.提案手法を基本的な連続関数,および実離散最適化問題である複雑ネットワーク解析に適用し,期待通りの挙動を示すことを確認した.
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Research Products
(3 results)