2006 Fiscal Year Annual Research Report
活性種ハイブリッド型ラジカルカルボニル化反応の創生と環境調和型反応系への展開
Project/Area Number |
06J07238
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
上野山 義崇 大阪府立大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 一酸化炭素 / α-ケテニルラジカル / アシルラジカル / ラクタム / (±)-Sibirine / ラジカル置換反応 |
Research Abstract |
潜在的に安価で豊富な炭素資源である一酸化炭素は、各種遷移金属触媒を用いたカルボニル化法やラジカルカルボニル化法により様々なカルボニル化合物の合成に活用されて来た。本研究においては、ラジカル反応条件下でのアセチレン類のカルボニル化反応について研究を行った。 アルキニルアミンのラジカルカルボニル化反応により生成するα,β-不飽和アシルラジカルは、アミン窒素上の置換基にα-フェネチル基を用いるとラジカル置換型の反応が進行し、窒素上が無置換のラクタム環が得られた。この反応は、種々の5員環から7員環ラクタムの構築法に有用である事を見出した。次に、光学活性なラクタム環合成に取り組んだ。ジアステレオ混合物のアミンを合成し、このものを分割し、それぞれに対し本反応を適応した。その結果、双方の光学活性なラクタム環がそれぞれ高純度のエナンチオ過剰率で得る事に成功した。本反応は、基質の立体を損なう事なく進行する事も明らかとした。またこの反応を用いることで、アルカロイド(±)-sibirineの合成を達成した。 さらに、飽和アルカンの直接的カルボニル化反応についても検討を行った。アルカンに直接炭素官能基を導入する手法の開発は重要な研究課題である。本研究では、sp^3炭素-水素結合のカルボニル化を伴ったエチニルケトンの合成法について検討を行った。アルカンとアセチレントリフロンを一酸化炭素を加圧し、ラジカル条件下で反応を行った。その結果、期待したエチニルケトンを良好な収率で得る事に成功した。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Trifluoromethyl-radical-mediated Carbonylation of Alkanes Leading to Ethynyl Ketones2006
Author(s)
Uenoyama, Y., Fukuyama, T., Morimoto, K., Nobuta, O., Nagai, H., Ryu I
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Journal Title
Helv.Chim.Acta 89
Pages: 2483
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