2007 Fiscal Year Annual Research Report
西洋中世における異端認識のレトリック-12世紀ビザンツ帝国の事例を中心に-
Project/Area Number |
06J07259
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
草生 久嗣 Osaka City University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 西洋史 / 西洋中世史 / ビザンツ / キリスト教 / 知識人 / 異端 / レトリック / マニュスクリプト |
Research Abstract |
2007年度は3年継続の研究計画における第2年目にあたり、研究計画どおり研究資料の収集、国際学会動向の把握、研究経過の報告にまつわる活動を国内外で行った。 2007年6月には、歴史学研究会大会のパネルに選ばれた機会を用いて、研究計画全体の大きな枠組みを提供する仮説を提示した(「ビザンツ帝国における宗教的《境界》の生成-正教会異端論駁書を題材に」発表内容への加筆論文が『歴史学研究』誌に掲載)。なおこのパネル発表に先立った準備会(2007年4月14日於早稲田大学)において、その研究内容全体の文脈を一般向けにとらえなおした報告も行っている。 7月21日から8月3日までパリおよびウィーンの両国立図書館に赴き、近世および中世の出版物および12-17世紀のギリシャ語マニュスクリプトの現物閲覧と、その調査を踏まえてのマイクロフィルムの複製注文を行った。また10月11日から14日までカナダのトロント大学で開催された北米ビザンツ学会に参加した。同時に米国のシカゴ大学およびセント・ルイス大学において、二次文献の複写及びマニュスクリプトのマイクロフィルムの閲覧を行った。 2008年2月26日にシカゴ大学内で開催されたThe Late Antiquity and Byzantiumワークショップで研究報告をすることを許された("Panoplia Syndrome and Comnenian Orthodoxy")。また東大クリオ出版部より、書評論文と言う形で本研究テーマを紹介できる機会を与えられた(「ビザンツの「民衆的宗教運動」とその「霊性」について-異端メッサリアノイの射程-」2008年5月刊行予定『クリオ』誌22号別冊59-68)。 以上、調査および研究成果発表の場を積み重ねたことにより、第三年次のまとめの年度において計画通りの研究の遂行が可能になった。
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Research Products
(4 results)