Research Abstract |
本年度の研究成果は,以下の理論の構築,および,その妥当性の数値解析的検証である。 1.クラスタ制御:閉空間の場合 対称閉空間における構造と音響の連成問題を考える場合,構造モードは,そのモード関数を規範として,偶関数,奇関数に帰属し,音響モードは,そのモード関数を規範として,偶関数,奇関数に帰属する。すなわち,構造の偶関数クラスタ,奇関数クラスタと音響の偶関数クラスタ,奇関数クラスタを定義できる。このとき,構造と音響の連成は,構造と音響の偶関数クラスタの間,構造と音響の奇関数クラスタの間にのみ生じる。 この現象は,構造計測,構造制御を基調とした放射音制御系の設計にあたり,次の様な洞察を与えてくれる。すなわち,放射音を音響の偶関数クラスタ,奇関数クラスタに判別し,それと連成関係にある構造の偶関数クラスタ,奇関数クラスタを選択的に計測制御すべきである。クラスタ・フィルタは,構造と音響の偶関数クラスタ,奇関数クラスタの独立計測を可能とする。クラスタ・アクチュエータは,構造と音響の偶関数クラスタ,奇関数クラスタの独立励起を可能とする。 2.クラスタ制御:開空間の場合 対称構造物を考える場合,構造モードは,そのモード関数を規範として,偶関数,奇関数に帰属する。すなわち,偶関数クラスタ,奇関数クラスタを定義できる。このとき,音響場における構造モード同士の連成は,偶関数クラスタの間,奇関数クラスタの間にのみ生じる。また,偶関数クラスタは,特に高い音響放射効率を有する。 この現象は,構造計測,構造制御を基調とした放射音制御系の設計にあたり,次の様な洞察を与えてくれる。すなわち,音響放射効率の高い偶関数クラスタを選択的に計測制御すべきである。クラスタ・フィルタは,偶関数クラスタ,奇関数クラスタの独立計測を可能とする。クラスタ・アクチュエータは,偶関数クラスタ,奇関数クラスタの独立励起を可能とする。
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