2007 Fiscal Year Annual Research Report
半空洞化した森で果実はどうなるのか?タイ南部の熱帯林における種子散布者喪失の結末
Project/Area Number |
06J07469
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
北村 俊平 Rikkyo University, 理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 種子散布 / サイチョウ / 半空洞化 / 熱帯林 / Aglaia / 種子食害 / タイ / フェノロジー |
Research Abstract |
1.4箇所のフェノロジー調査ライン(Tapoh:610個体、Bacho:564個体、Trail#4:827個体、Trail#12:580個体)を対象として、月一回の繁殖フェノロジーのモニタリングを継続した。過去2年間とも開花頻度は乾季の2-3月、結実頻度は雨季の6-8月に高い傾向を示したが、大きく年変動した。 2.ブードー国立公園の択伐林と果樹園、ハラバラ野生生物保護区の原生林と択伐林にそれぞれ5箇所ずつ、計20箇所に設定した0.1haの植生調査プロット内において月一回の繁殖フェノロジーのモニタリングを継続し、前述のフェノロジー調査ラインと同様な傾向が得られた。 3.前述の植生調査プロットにおいて、4ケ月に一度、小型哺乳類の捕獲調査を継続した。これまでの7回の調査でのべ17種706個体の小型哺乳類が捕獲された。ツパイ科2種87個体、ハリネズミ科1種3個体、トガリネズミ科1種2個体、ネズミ科8種597個体、リス科4種16個体、ジャコウネコ科1種1個体であった。 4.ハラバラ野生生物保護区内の大型・中型哺乳類相のインベントリー調査の一環として、赤外線センサー付き自動撮影装置15台設置し、モニタリングを継続した。撮影された野生動物種は全部で44種だった。哺乳類が撮影枚数の大部分(98.4%)を占め、35種(不明種のコウモリを含む)、残りは鳥類8種(不明種を含む)と爬虫類1種であった。科別に撮影種数が多かったのはジャコウネコ科とネコ科が5種、リス科とネズミ科が4種だった。 5.シワコブサイチョウAceros undulatusとオオサイチョウBuceros bicornisが巣穴の周辺に吐き戻した種子を回収し、発芽実験を行なった。7科10種404個の種子を回収し、3ケ月以内に378(93.6%)は発芽した。発芽率は種毎に大きくばらつき0-100%であった。
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Research Products
(11 results)