2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J07488
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 大和 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 葉緑体分裂 / プロテオーム / 極限環境生物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、葉緑体分裂装置の構造と機能を調べる事によって葉緑体の分裂機構を明らかにすることである。葉緑体は、シアノバクテリアの祖先が細胞内共生したことによって誕生した。このため、葉緑体は独自のゲノムを持ち、分裂によってのみ増殖する。葉緑体の分裂にはバクテリア分裂タンパク質であるFtsZリングや、真核生物特有であり膜のくびり切りなどに働くGTPaseタンパク質であるダイナミン関連タンパク質、さらには分裂面の内側と外側に二重のリング構造を作る葉緑体分裂リングが含まれることが分かっている。しかしながら、葉緑体分裂装置を構成するタンパク質としては、現在までにこれら3種の以外にはほとんど明らかになっていない。このため、本年度はシゾンから単離された葉緑体分裂装置のプロテオーム解析を行い、その構成タンパク質を明らかにすることを目標として研究を進め、以下の結果を得た。 葉緑体分裂を完全に同調させたシゾンから無傷な分裂期葉緑体を大量単離し、単離した分裂期葉緑体に対して非イオン性活性剤による処理を行うことで、無傷な葉緑体分裂装置画分を得た。単離した葉緑体分裂装置をSDS-PAGEや二次元ゲル電気泳動によって展開し、MALDI-TOF/MSによるプロテオーム解析を行った結果、50スポットを同定することに成功した。これらのタンパク質のうち、おおよそ20から30種類のタンパク質が分裂装置を構成しているものと推定された。実際に、今回新たに同定された分裂装置関連遺伝子の抗体を作成し間接蛍光抗体法によって解析した結果、確かに分裂装置に局在することが明らかになった。
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Research Products
(3 results)