2006 Fiscal Year Annual Research Report
1920年代ドイツにおける公益的住宅建設-ゾーリンゲン市の事例を中心に-
Project/Area Number |
06J07553
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
柳沢 のどか 一橋大学, 大学院経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ドイツ / 経済史 / 非営利住宅建設 / 国際研究者交流 / 借家市場 / 浸透効果 / 1920年代 / ゾーリンゲン |
Research Abstract |
当研究の目的は、1920年代ドイツにおいて「公益的住宅建設」と呼ばれていた非営利住宅建設の試みが住民の都市内流動の激化、社会的居住分化の進行、借家住宅市場における低所得者向け住宅の供給の停滞、という近代都市を象徴する現状にいかなる作用を及ぼしたのかを実証研究から明らかにし、その試みが都市問題解決の糸口となりえたか否かを、ゾーリンゲン市での住宅建設を事例に分析することにある。この研究目的を達成するために研究者本人はまず、都市内住民流動、借家市場の分析に必要な資料をゾーリンゲン市文書館で収集した。その後、平成18年10月には、同文書館での史料収集及び分析の成果の一部を、政治経済学・経済史学会にて「1920年代ドイツにおける非営利住宅建設と借家市場-ゾーリンゲンの場合-」との題目で学会報告を行った。また、年末には「1920年代ドイツにおける非営利住宅建設と借家市場-ゾーリンゲン・ヴェーガーホープ団地の場合-」と題した論文を同学会の学会誌『歴史と経済』に投稿し、査読の結果、平成19年3月に『歴史と経済』に掲載されることが決定した。掲載号は、197号(2007年10月刊行予定)以降の号の予定である。一方、都市内住民流動の分析については、その成果を東京大学・馬場哲先生が主催するドイツ近代都市史研究会(平成19年3月10日)にて「新築借家入居と社会階層間格差〜1920年代ドイツ・ゾーリンゲン市のヴェーガーホーフ団地の事例〜」との題名で報告した。なお、平成18年12月17日のドイツ資本主義研究会例会(ADWG N.F.)では、研究者本人が自らの研究から学んできたことを生かしながら、斎藤哲・八林秀一・鎗田英三編著 守屋治善・大川勝康・堀内直哉・加藤浩平著『20世紀ドイツの光と影-歴史から見た経済と社会』(芦書房、2005年8月)についての書評報告をした。
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Research Products
(1 results)