2006 Fiscal Year Annual Research Report
センサマトリックスの創製とその細胞バイオセンシングへの応用
Project/Area Number |
06J07790
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
淺川 雅 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | バイオセンサ / センサマトリックス / 細胞バイオセンシング |
Research Abstract |
本研究は、天然の生体分子を用いたバイオセンサを使用できない用途を想定し、触媒活性・分子選択性など用途に合わせた機能を賦与できるセンシング材料を開発することが目的である。そこで複数の機能性高分子と遷移金属の自己配位集積により形成するセンサマトリックスを分子設計、合成する。さらに細胞が産生するシグナル分子をin situモニタリングする細胞バイオセンシングへの応用を企図し、培養環境下で使用することのできるセンサデバイス開発、ならびに応答性細胞の構築に関する研究を行なう。本年度の研究成果は以下の通りである。 1、細胞から放出される一酸化窒素(NO)は、生体情報を獲得するために重要なシグナル分子である。この細胞産生NOをモニタリングするためには、センサ表面にて培養細胞層を形成することが最も有効である。そこで細胞結合性ペプチドを表面に導入した細胞接着性センサマトリックスを構築した。そしてフィプロネクチン由来のFIB1配列ペプチドを導入したセンサマトリックス表面においてヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)の培養が可能であることを明らかにした。また、HUVECから放出されるNOを連続的にモニタリングできる細胞バイオセンシングシステムを構築した。 2、測定対象に対して特定の応答シグナルを発信する応答性細胞の構築は細胞バイオセンシングにおける重要な課題である。本年度は爆薬として利用され、環境汚染の原因物質であるトリニトロトルエン(TNT)に応答性を有する遺伝子組み換え微生物を作製した。その結果、シュードモナス属細菌TM15の遺伝子組み換え株TM101がTNT生分解過程において蓄積する高濃度の亜硝酸(NO_2)が、TNTを検出する細胞応答シグナルとして有効であることを見出した。 本年度の成果により、細胞バイオセンシングの薬剤スクリーニングや環境モニタリングなどへの方途が示されるに至った。
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Research Products
(1 results)