2006 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺ホルモン系の作用機構ならびに脳発達に対する環境化学物質の影響の検討
Project/Area Number |
06J07859
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宮崎 航 群馬大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 甲状腺ホルモン / 核内ホルモン受容体 / 環境化学物質 / 脳発達 |
Research Abstract |
平成18年度において、まず甲状腺ホルモン受容体(TR)における環境化学物質・ポリ塩素化ビフェニル(Poly chlorinated biphenyls : PCBs)の作用部位の検討を行った。 PCBの作用部位がTRのDNA結合領域(DNA binding domain : DBD)であることを確認するため、先に記したTRとグルココルチコイド受容体(GR)のDBDを入れ替えたキメラ受容体を作成した。これらを用い、レポータージーンアッセイを行ったところ、PCBの作用はTRのDBDを持つものに認められた。 次に環境化学物質のTRを介する転写への影響はTRと甲状腺ホルモン応答配列(Thyroid hormone response element : TRE)の結合が部分的に阻害されることと相関があることを報告していることから、TRのDBDとTRE問の結合における環境化学物質の影響を検討した。本研究室で新たに考案・構築した「Liquid fluorescence DNA pull down assay」を用いて検討したところ、GR-DBDとグルココルチコイド応答配列:GREの結合に環境化学物質の影響は認められなかったが、TR-DBDとTREの結合が部分的に阻害されていることが明らかとなった。さらに、TRを介する転写への様々な環境化学物質の影響とTR-TREの結合に相関があるかどうかについて検討したところ、転写の抑制と結合の阻害に相関があることが明らかとなった。現在、ここまでの研究結果をもとに論文作成中である。 また、PCBの作用が未知のタンパクを介する可能性があることから、Sos-Ras yeast two-hybrid screening systemを用いてPCBが結合する新規タンパクの検索・同定を行っている。
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Research Products
(2 results)