2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J07909
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
柘植 陽太 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | コリネ型細菌 / セルラーゼ / 細胞分裂 |
Research Abstract |
コリネ型細菌は枯草菌などと比較して菌体外分泌物が少なく、旺盛な増殖力と溶菌しにくいという特性のため、外来遺伝子の発現宿主として非常に高い能力を有している。 本年度は当初の目的であるClostridium cellulovorans由来のセルラーゼ複合体であるセルロソームの分泌、再構築を試みた。しかし、通常のセルラーゼの分泌は確認できたが、セルロソームを構成するセルラーゼの分泌は確認できなかった。そこで本研究のもうひとつの目的である、コリネ型細菌のより良いシグナル配列を取得ため、コンピューター解析からシグナル配列を持つ遺伝子を310種類抽出した。それらの遺伝子のシグナル配列をα-アミラーゼ遺伝子と融合させ、ヨウ素でんぷん反応によって検出したところ、22種類の遺伝子の分泌能を確認した。その中で9種類がTatシグナルであると予想された。Tat分泌経路は他の分泌経路とは違い、細胞内で蛋白質が折りたたまれた後、分泌される。従ってプロテアーゼによる分解を受けにくく、加えて細胞内シャペロンを利用することによって、機能的な蛋白質が得られる可能性が高い。現在、どのTatシグナルが一番セルロソームを構成するセルラーゼの分泌に最適かを選定中である。 本研究室ではCglutamicum R株の遺伝子破壊株ライブラリーを作製済みである。分泌能を確認した遺伝子の破壊株を顕微鏡で観察したところ、cgR1596破壊株が野生株と比較して3倍程度に伸びた形態変化を示した。染色体分配に異常は認められないことから、CgR1596は細胞分離に関与すると考えられた。本タンパク質はC末端にはエンドペプチダーゼドメインが存在する。本ドメインを同じく有するcgR2070を併せて破壊するとより長い形態を示し、一個体中の核様体数も4.1個に増加した。従ってこれら二つの遺伝子がコリネ型細菌の細胞分離に重要であると考えられた。
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Research Products
(3 results)